トランジット法(経過図)とは
トランジット法(経過図）とは現在のリアルタイムで運行している天体から、自分がどんな影響を受けているかを調べる技法です。
トランジットチャートと、ネイタルチャート（出生図）を照らし合わせながら占います。
時期を指定すれば未来の状態も調べられます。
自分の内面への影響というよりは、外部の事情や環境から自分自身にもたらされる要素に影響してきます。
一方でプログレス法（進行図）とは、その人の出生図を進行させていくことで人生の流れを予測していく技法です。
個人的な運命の流れを読むものです。
なかでも土星やトランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星）が、ネイタル(出生図)の天体にハードアスペクト(0度、90度、180度）で絡んでくる時期には、人生の中で大きなイベント、大きな変化が起こるといわれています。
どちらかといえば試練、逆境の類です。
逆にベネフィック（吉星のことです。太陽・月・水星・金星・木星)から良い影響も受ける時期ももちろんありますが、土星以遠の天体の影響力はとても大きいので目立った変化が起きやすいです。
今回は土星をとりあげます。
N太陽にT土星がハードアスペクト
私のホロスコープでトランジットを出してみます。
ホロスコープはAMATERUで作成しました。
見やすいように主要な天体以外は省いています。
内側が私の出生図、外側がトランジット（現在2021年5月5日の天体の位置）です。
私の出生図の太陽は獅子座の9度にあります。
現在土星は水瓶座の13度にいます。
トランジットのオーブは5度くらいを許容範囲としますから、ただいまオポジションの影響の只中です。
今年2021年元旦には水瓶座の1度付近にあった土星は現行で進み続けて現在13度付近にいます。
さらに6月頃から逆行し始めます。
11月になると7度まで戻った土星はまた順行を始め水瓶座の25度まで進みます。
その後また逆行を始め18度まで逆戻り。
11月になると順行になり、その後はどんどん水瓶座から魚座に向かって進みます。
こうして行ったり来たりを繰り返すため、一つのサインの滞在期間も長くなり、リアルに影響を受ける時期も複数回になります。
現象としては、最後に抜ける時期が一番きつくなる、という見解もあります。
私の太陽9度と近い度数の獅子座（オポジション）・蠍座(スクエア）・山羊座(スクエア）・水瓶座(コンジャンクション）の人はおおむね来年（2022年）の2月くらいまでは土星の影響を受けている状態が続きます。
トランジット土星の影響
土星は絡む天体が象徴する事柄に対して制限、ブレーキをかけてきます。
太陽は人生の目的もしくは公的な自分・仕事の象徴です。
土星は本人の真の力を試してきます。
鍛えてきます。
まるで足枷をはめられているような状態ですが、現実を直視し向き合っていくことから逃げなければその時期に経験したこと、乗り越えたことが血となり肉となります。
具体的な結果も残すことができるのです。
オポジションの場合は正面から向き合うので、上記のような影響が強いというのが実感です。
コンジャンクションの場合は、土星が乗っかってくるために責任や重圧、義務といったものが自身にのしかかってくるイメージ。
結婚して家庭をもつ、もしくは子供の誕生、会社で重責ある立場に就くなど、社会に対して大きな責任が発生する時期が当たると思います。
決してネガティブなものではありません。
スクエアの時期は、目立った現象が起こらない人も、大きく躓いた人も見かけます。
人生の節目であることにかわりはありませんが、本人次第で良い節目になるか、悪い節目となるのかが変ってくる。
土星が太陽（自身）に対してそれまでの審判を下す時期、それがスクエアの時期なのかもしれません。
参考になる解釈を載せておきます。
ただし、生まれた時の太陽（内側）とその位置から時計回りに９０度凶角の位置に来た時の土星（外側）の運気は、良い意味となります。
この時期は過去の総決算の時です。
過去の業績、行いに対して、良いこともでも悪いことでも、評価を下される時で、過去の努力の結果が好ましいものであれば、この時期は地位と名誉が約束されます。しかしそうでない場合は、後退や脱落が起こり得ます。
また、生まれた時の太陽（内側）とその位置から逆時計回りに９０度凶角の位置に来た時の土星（外側）の運気は特別なものとなります。
一つの人生計画が終わりを告げたことを示し、過去を脱皮して新生活にスタートする時です。過去の実績や古い人間関係にしがみついている場合ではありません。
転勤、転居なども考えられます。
運気はこの後、ゆっくり上昇に向かうでしょう。
新しい環境に馴染み、生活のリズムを作ることが当面の課題です。
つまり、生まれた時の太陽と現行の土星との９０度凶角の時は、悪い意味にはならないということです。
私個人の現在の実感
個人的なことでいえば、家庭内というよりも社会に今後どう向き合っていくかを深く考える時期に入っているという実感があります。
自分の人生について深く考える時間も増えています。
コロナ禍であるということや、世の中がどんどん変化していっていることの影響も大きいと思いますが、それを抜きにしても、身の振り方といえば大げさなのですが、現実に対して責任ある立場で答えを示していかなければならない状況に立たされているのは間違いないな、と感じています。
良い悪い含めて、今までの自分に対しての総決算の時期。
否応なく、これまでの結果を直視し、認めざるを得ない状況です。
きっちりと清算して新たなステージへ向かうための踏ん張りどころである、土星のトランジットとはそういう時期だと思います。