一人ひとりの月には、いろいろな星の絡みがあり、それぞれの個性を作ります。どの惑星が絡んでくるのか、その様相で特有の特徴が現れます。
その中でも群を抜いて独特の精神構造や感性、心の動きを持つアスペクトとして月と冥王星の合は筆頭だと私は考えています。
冥王星という天体
冥王星は2006年に惑星から準惑星に格下げになりました。でもそれは人間が勝手に決めたことなので。実際に宇宙には冥王星が存在しているし、その強い影響力は確実にあります。また冥王星の双子の星と言われているエリスの存在も気になりますね。エリスとは対立と不和の女神の名前が付いた星です。エリスは実は冥王星よりも大きな惑星だそうです。この影響も侮れないかもしれません。
冥王星はゼロか100かといった極端を求めてくる星で、小さいながらもそのパワーは非常に強力です。ネイタルに絡みがなくてもトランジットで回ってきた冥王星が個人天体に絡む時期には、人生に何かしらの強制的な転機をもたらす可能性が高いです。
冥王星をはじめトランスサタニアン(海王星・天王星・冥王星)って遠い遠い惑星たちですが、とても影響力が強い。大きく変化する物事の裏には影の暗躍者として動いています。
月と冥王星の合・月と海王星の合
月と冥王星の合をもつ人の特異性や独特の雰囲気はいつも感じています。このアスペクトを持つ人には何か共通点があるようです。メンタルが非常に強く、倒れてもすぐに復活できる。極限まで我慢ができる。時に非情である、人の気持ちがわからない、など。
月と冥王星の絡みをもつだけで、すべての人がその要素だけで出来上がっているはずもありません。他の星との絡みで出かたは全然違うと思います。しかし冥王星はかなり強力な影響力をもちますので本人の筆頭の要素になると思います。
そして月と海王星の合をもつ人は夢見がち、空想と現実の区別がつきにくい、周りの影響を受けやすい、想像力、インスピレーションに長け、芸術性にも富んでいる。
この二つの性質は反対の性質です。
月冥王星は発信型。月海王星は受信型です。
ここからは私の経験した、月と冥王星が合の人との関わり合いで感じたことを書きます。非常に個人的な見解です。私は月と海王星がオーブの範囲内ですので(9度はなれているので、影響はほとんどないかもしれません)、普通の人よりも敏感なのかもしれません。月と冥王星のコンジャンクションの方は気を悪くされませんようにお願いいたします。
月と冥王星がハードで絡む人の特徴
※あくまで私の経験からくる個人的見解です。
月と冥王星が合の人って、とても打たれ強い、強靭な心の持ち主です。人間関係で何かあっても絶対に潰れない、泣いたりしない。その点については生き抜いていくには武器になる。しかしその強さは何かが響く心自体がないことからくる強さなんじゃないかと、いつしか思うようになりました。
爽やかな笑顔や品行方正な所作、誰もが感じのいい人と思うような身のこなし。いつも親切で優しくて。外側はとってもいい人、なんの問題もない。でも心が空洞っていうか、いつしかこちらは虚像に話しかけているような感覚に陥る。
中身がない、噛み合わない。
普通なら人が驚き立ち尽くすような場面でも、自分に都合が悪ければなかったことにしてドンドン前に進んで行く、いや、行けるのです。時に非情な印象を受けます。
当たり前の自然な心の動きが感じられない。
人との関りさえも自分が何かを得るための手段としてしか見ていないかのようで、演技をするようにいろいろな人にそうあるべき姿で接する。
付き合っていく人たちはそのうちに感情的に疲弊してしまうし、利用されているような不愉快な感じに悩む。何にも悪いことをされたわけではないのに、何だろう、この違和感は・・・
冥王星がこんな風に月という人間らしい感性や感情をつかさどる星に圧迫感や重さを乗せてくるのでしょうか。重さのせいで、自由な気持ちの動きを妨げるのでしょうか。
この傾向は男性より女性の方が顕著に現れるように思います。
私と同じく月と海王星が合の人で、その人と関わることで体調を崩し退職してしまった方がいます。その人のことを虫唾が走るほど嫌い、二度と会いたくないとおっしゃっていました。周りにいる人達の感じ方はそれぞれです。しかし月・海王星のアスペクト持ちにはキツイのでしょう。
冥王星と月の合の人には、幼児期の心の傷が深い、母親との関係性が普通でない、本人の意思ではどうにもできない飢えがある、といった象意があります。不安が果てしなく、感情に欠陥がある。無意識的に心にぽっかり空いた空洞を埋める行動言動に走ってしまう、愛情に飢えていて、その飢えを満たしてくれる人をいつも求めている。しかし本人には自覚がない。
スクエアやオポジションだとまだ向き合うことができるし、他の惑星を活かすことで、何かの手だて、乗り越える術があると思うのですが、コンジャクションは一体化しているので、それを切り離すことはできない。生きること自体がそれ自身。
無敵の戦車が幼児の運転で暴走しているようです。誰もやっつけることができない、強いので。だからこそ、質が悪い、扱いにくい、本人にも一番乗り越えることが難しいアスペクトだと思うのです。
このアスペクトを生まれ持った方にはそれは普通のことで空虚感なんて感じていないのでしょうか。それがいつもの当たり前なので大したことではないのかもしれません。
でもそれなら尚更ですが、大変な状況でうろたえず対応できる、肝っ玉の据わっている強靭なメンタルを、大きな目的のために使っていただきたいと思います。やられてもやられても不死鳥のように復活する強さは、大きなことを成していくことができる資質ですから。普通のメンタルで耐えきれないことも、月冥王星合の方には超えていくことができるのです。
偏った意見になりました
自分の経験から、とても偏った意見を述べました。もちろん、月と冥王星が合であればすべての人がそうであるはずもありません。他の天体との絡みで人それぞれ現れ方は違うでしょうし、大きなパワーをうまく手なづけている人もたくさんいらっしゃるでしょう。とても個人的な経験から得た偏見を、私はもっているのかもしれません。
しかし、相容れない性質が上手くやっていくことは、無駄な消耗となってしまうことも確かです。
人を変えることはできない、変える権利もありません。だから人間関係には、可能であれば極力関わらない、そんな解決方法しかない場合もありますね。