著者…アダム・グラント
ギバー(人に惜しみなく与える人)
テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)
マッチャー(損得のバランスを考える人)
世の中の人々を大まかに3タイプに分けて、それぞれがいろいろな状況において人間関係の中でどのように立ち回り、何を優先させていくのか…結構な長いスパンの調査、検証とそれにより見つかった発見、そして実際のそれぞれのタイプの人生がどのように展開していったのかを紹介している本です。
たくさんの人の中で日々生活しているのですから、たまにカッチ~ン!!!とくるような出来事って誰にでもあると思いますが、こと、職場などいつもいつも顔を合わせないといけない人間関係の中でそれが頻繁にあるとキツいですよね。
通り過ぎる関係(たまたま電車に居合わせた人とか、飲食店で隣にたまたま座ったとか)ならまだしも。ほとんど毎日会う人とは出来るだけ円滑な関係性を誰もが求めると思います。
周りの人との関係に充実感や楽しみが少しでもあれば、つらい仕事でも耐えていけますもんね。
しかし楽したい人間、ズルい人間がはびこる世の中で、円滑に円満に人間関係を送るために自分が言いなりになったり、我慢したりするのはなるべく避けたい。ギブギブばっかりテイクテイクばっかりな関係はない方がいいでしょう。
ギバーは一歩間違えば、ズルいテイカーのカモにされる。でも賢いギバー、知恵をつけたギバーはテイカーに搾取されることもなく良い影響を周りに波紋のように広げていけるそうです。
世知辛い世の中で、とってもいい人なのに人に押し切られると弱いとか、なんか自分だけ損してるみたいに感じている人とか、いいところは大体周りに持っていかれている感じがするとか。でも理想論ではなく、周りの人の事を考えて動ける人間にはきっと信頼も集まるし、そのうち結果も自分に返ってくるのでしょう。
しかし「いい人症候群」をいつまでもやっていてはダメだそうです。ほんとに集団の利益を周りの人の幸せを考えているならうまく立ち回る知恵と絶対にテイカーにやり込められない決意と勇気が必要みたいです。それがこの本には書いてあります。
報われようとそうでなかろうと、自分の気持ちに従って他者のために動けるギバー。そんな善意に付け込んで自分では汗をかかずに得をしようとか、上前を撥ねてやろうと思って近づいてくるテイカー。人間はやはり弱いし保身のために無意識でそういう行動に出ているテイカーもいっぱいいるんじゃないかな、と思いますが。ギバーがうまく対応することで、まわりまわってテイカーの心も利他的に変わるかもしれません。
とにもかくにも、ギバーって素晴らしい特徴を持つ人間だ!そうです。
だからこそ、絶対に損だけして終わらないで。コツをちょっとお勉強してその素晴らしい人間性を世の中、社会に生かして影響力を広げていこう!
いろいろな方々の人生を流れの中で検証して、実際に起こった出来事や変化もたくさん紹介されているし、実践で活かせる対処の方法などもたくさん書いています。
とっても勉強になりました。
そしてコツさえおさえれば人のために動ける人が最終的にたくさんのものを得ることができるし、みんな一緒に上がっていけるなんて、、「神様は見てるなー、やっぱり!」って信じられるかもしれない本でした。