全部で170ページの書籍です。あっという間に読めます。
宿野かほるさんの本ですが、こんな展開になるんだ!!!!ってびっくりしました。
最後の一行にすべてが集約されている。
イッキに読みたい、読まずにはいられなくなりました。止められません!
最初は、メールのやり取りで、この二人はどんな関係性なんだと思いめぐらし、引き込まれていきます。
人生いろんなことがあり、酸いも甘いもかみしめた2人の大人が昔を懐かしむ回想なのかなとはじめは思いました。しかし読み進めていくうちに中盤以降から「なんだこの展開….」???
なんか怪しい(笑)訳アリ感満載。生々しくて徐々によりいっそう引き込まれていきます。
そして結構ヘビィな内容です。
閉ざされた環境、閉ざされた関係の中で繰り広げられる人間模様。本人が語らなければ、永遠に明るみにならないであろう、真実。
人の生きてきた環境や経験って本人にしかわからない。そして本人が封印してしまえば、それはなかったことになる。
一見恵まれているであろう人がどんな人生を送ってきたかや、どんな経験をしてきたかは、本人が吐露しない限り封印されてしまうことの方が多いかもしれません。
その人の見た目や語っていることだけで判断するのはとても危険な事かもしれない、とあらためて思いました。
ちょっと、びっくりした本です。
現実なんか無視して、自分の思うがままに解釈して生きられるのかもしれない。でもほんとにそれでいいのか。現実を無視して自分に都合のいい自分だけの現実に生きていることの狂気を怖いなぁと思いました。
最後のページをめくった瞬間、なんだか言いようのない虚脱感にため息が出ます。
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